cheqd は、デジタル資格情報を使用して企業と個人がさらに安全、効率的で商業上も持続可能な方法で相互に信頼できるようにするためのプラットフォームを提供しています。 さらに、この信頼は中央の仲介者に依存しなくとも確立できるため、信頼できるデータを発行、受信、または課金する当事者間に直接的な関係は必要ありません。
この 2 部構成のブログ シリーズでは、cheqd が行っているデータ市場での差別化を取り上げます。cheqd と業界の専門知識に関する知識レベルが異なるさまざまな読者に向けてこのトピックをお届けします。
ブログ 1 (本ブログ) は一般読者向けとして、cheqd がどのようにして新たなデータ市場を開拓し、従来の ID 企業との差別化を行っているかを探ります。
ブログ 2 では対象読者の範囲を絞って、cheqd が他の ID ネットワークとどのように差別化されているか、また、資格情報ペイメントなど、どのような技術革新によって cheqd が業界リーダーとなっているかを説明します。
これら 2 つのブログをお読みいただければ、cheqd が競争の激しいデータ市場においてどのように自社を位置づけて卓越しているかについて、全体的かつ詳細に理解していただけることでしょう。
データ市場の問題への対応
方法 (どのように) を説明する前に、理由 (なぜ) を説明することが重要です。 現在、顧客 ID の保証と検証は企業にとって大きな課題となっています。顧客ベースでの信頼を構築するために時間と費用がかかりすぎるためです。
cheqd は、デジタル分野での活動やオンライン サービスの提供を行う企業の大半が直面している 3 つの大きな課題を解決できる立場にあります。
1. 顧客確認コストを削減
多くのオンライン プラットフォームや企業にとって、顧客確認にかかる費用が高すぎるため、ID の保証が弱くなったり、まったく存在しなくなったりする事態になります。
これにより、ボット、詐欺師、悪意のある行為者がほとんど影響を受けることなくデジタル空間を悪用することになります。 これを比較してみると、ID 確認のコストはおおよそ次のとおりです。
- 基本的な顧客確認 (KYC) チェック: 5 ドル~ 10 ドル
- 犯罪歴調査: 約 50 ドル~ 100 ドル
- 企業バックグラウンド (GLEIF 認定 LEI): 1 年あたり 100 ドル超
そのため、e コマース プラットフォーム、オンライン ギャンブル サービス、アルコール販売業者や、アダルト コンテンツ プラットフォームでは、サイト アクセスのための法定年齢に達していることの自己証明をユーザーに求めるという手段に頼るようになりました。 これらのプラットフォームでは、顧客一人あたり 5 ドルの料金を支払うよりも、未確認のユーザーを取り込むリスクを負う傾向にあります。

これはボット、詐欺師、悪意のある行為者に関して問題となるだけでなく、子どもにとっても危険です。なぜなら、制限のあるサイトやコンテンツに子どもが触れる可能性が高まり、児童オンライン プライバシー保護法 (COPPA) などのオンライン児童保護法令の違反が生じることになるからです。 最近、英国では、情報通信庁 (Ofcom) がこの「自己証明」だけでは不十分であると宣言し、また、デジタル資格情報ウォレットが求められる可能性があると宣言しました。
デジタル資格情報発行の世界に移行しており、特に新たな改正規則である eIDAS 2.0 が導入されたことにより、ID 確認と保護者同意のためのデジタル資格情報の受け入れをオンライン サービス プロバイダーが求められるようになります。
ここで cheqd が大きな価値を提供するのは、再利用可能である検証可能な資格情報のインフラストラクチャを提供していることです。このインフラストラクチャの目的はID 確認のコストを確認 1 回あたり約 5 ドルから約 0.10 ドルに削減することです。 こうした効率性向上とコスト削減により、これまではコストがかかりすぎた分野でも顧客確認チェックのオプションが広がります。

これにより、多くの業界で自らのプラットフォームを使用して顧客確認を行う際に生じる重大な問題が、コスト効率性が高く、再利用でき、今後の規制にも対応可能な方法で解決されます。
2. 不正行為や詐欺の可能性を削減
メッセージング プラットフォームや電子メールも信頼の欠如に悩まされています。 多くの不正行為やフィッシング詐欺は、悪意を持って実在の人物や企業になりすましており、実在の人物と詐欺師を見分けることがますます困難になっています。Web3 空間では、Binance などの中央集権型取引所を偽装した企業から偽の電子メールやメッセージが送付されることが多くなっています。 あるメールは非常に巧妙にできていたため、私たちのチーム メンバーも数名騙されてしまいました。送信者のメールが実際の Binance のメール アドレスを偽装していたためです。 日常的なユーザーにとって、これは、セキュリティ リスクと詐欺に遭う可能性を非常に高めるものです。

cheqd では、検証可能な資格情報を使用して、企業や個人が相互に信頼できる資格情報を要求し、資格情報の発行元であるルート認証局を信頼するメカニズムを提供することで、不正行為や詐欺が生じる可能性を減らします。 これらの資格情報は信頼できる当事者によって暗号的に署名されているため、単なる直感と常識に頼るよりもはるかに高いレベルの保証が提供されます。
私が cheqd チームのメンバーであることを確認するには、以下のリンクから私の Creds をチェックしてください。
https://profile.creds.xyz/share/utp-bxhi-kuz
3. ID 確認に必要な時間と手間を削減
多くの業界では、ID 確認とマニュアル チェックに膨大な時間を費やしています。 不動産譲渡やビザ申請などの価値の高いトランザクションの場合、ID 保証のためのポイント スコアリング システムがよく利用されています。これは、文書によって保証レベルが異なるというものです。

従来、こうしたポイント スコアリングでは、各ドキュメントまたは証明書に特定のスコアが付与され、顧客が少なくとも「100 ポイント」相当の信頼を提供する必要があります。 一般的な前提は、スコアが高いほど、第三者が対象者のドキュメント/ID に対して持つ信用度が高くなり、100 が「合格点」であるというものです。
検証可能な資格情報を使用すると、ユーザーは ID ウォレット内に複数の資格情報を保持でき、数秒以内に 100 以上の信頼スコアにまとめた単一の証明を一度に第三者に提示できます。
検証可能な資格情報のセキュリティ機能と、eIDAS 2.0 内で資格情報に付与される法的価値により、企業は、マニュアル データの妥当性チェックに現在費やされている時間とリソースを大幅に節約できます。 これは、不動産譲渡、移民ビザ、融資、クレジット スコア計算など、さまざまなユースケースにわたる問題の解決に適用できます。
私たちは以前、信頼できるデータ市場における cheqd の役割に関するブログで、この即時性のある信頼のコンセプトについて書きました。
ケーススタディ: FinClusive と Verida で実現した再利用可能な KYC
Verida との提携発表後に、当社は、規制に準拠した方法で Web2 と Web3 全体の金融サービスへのオンボーディング プロセスを合理化するために、cheqd Studio (資格情報サービス) をFinClusive と Verida のウォレットと統合しました。
デジタル資格情報を用いて、AML コンプライアンスなどの制裁リストに対する cheqd ネットワークに対するリアルタイムの失効チェックを行うことで、資格情報保有者のオンボーディング エクスペリエンスが向上し、従来の ID 確認にかかるコストと顧客確認にかかる時間が削減できます。
また、当社の資格情報ペイメント製品を使用して、検証可能な資格情報を交換する当事者向けの商用モデルに加えて、資格情報の発行にインセンティブを与えて、その導入を加速させていきます。
当社はこのソリューションのターゲットを、中央集権型取引所、金融サービス、e コマースなどのデジタル サービス プラットフォームへのオンボーディングにしています。 私たちは、新年になりましたら、FinClusive と Verida の両方についての詳細なブログを書く予定です。 それまでは、こちらから統合に関するデモ動画をご覧ください。

このデジタル資格情報ソリューションを自社に適用して競争上の優位性を活用することをご希望のお客様は、こちらから当社の製品チームにお問い合わせください。
さまざまな業界における新たな収益機会
cheqd は、データ市場が直面している既存の課題を解決すると同時に、デジタル資格情報の発行者に新たな収益源も提供します。 これにより資格情報ベースのテクノロジーへの移行が促進され、資格情報を採用するための新しい商用モデルが提供
され、ID 確認の価格を既存のモデルよりもはるかに低く抑えられます。 資格情報ペイメントモデルは、さまざまな業界に適用できます。
- 金融サービス: 検証可能なデータを交換する銀行などの金融サービスに商用モデルを提供することで、持続可能なエコシステムとデータ市場が生まれます。
- e コマース: ID 確認のために少額の支払いを請求することで、e コマース プラットフォームは、詐欺師やサイバー犯罪者によるサービス利用を防止できます。
- 旅行: 旅行のユースケースでホテルや依存側当事者に対して顧客確認の即時処理について少額の手数料を請求することで、マニュアル文書のコピーと確認にかかる時間を大幅に節約できます。
- DeFi: トラベル ルール向けに、規制に準拠したオンボーディング ソリューションを提供していますが、これは商業的にも成立することから、cheqd はこの分野の競合他社とは一線を画しています。
- 教育: 不正行為を減らし、検証可能な教育上の記録と実績を提供することで、就職や高等教育機関への申請プロセスが効率化されます。 これらの資格情報を発行する教育機関に報酬を支払うことで、このプロセスが加速され、流通する資格情報が増えます。
ブログ 2 では、資格情報ペイメントのコンセプトによって cheqd が他の ID ネットワークとどのように差別化しているか、また、検証者が発行者に支払うことによってどのように新たな持続可能なデータ市場が生まれるかについてさらに詳しく説明します。
データと ID 市場における cheqd の位置付けについての理解
cheqd が解決している問題を広く理解した上で、次に、cheqd がデータと ID 市場内でどのような位置を占めているかを説明することが重要です。 cheqd の商品を理解するための核心は、cheqd が行っていない事項を説明することです。
一般的な誤解は、cheqd がOnfido や Jumio のような ID 確認 (IDV) サービスを提供しているというものや、Ping や Forgerock のような ID およびアクセス管理 (IAM) サービスを提供しているというものです。
実際には、cheqd は、ID データを扱う既存の企業カテゴリのいずれにも適合しません。 むしろ、当社は、世界的な規制と技術開発を通じて確立されつつある、デジタル資格情報と信頼できるデータという新しい差別化されたカテゴリに適合しています。
データ サービスにおける、こうしたネクスト イテレーションは、次の 4 つのコア カテゴリから構成されるでしょう。
- ID 確認: 個人の ID 書類をチェックし、本人であることを確認する
- 顧客関係管理: 顧客関係を管理し、サービスを提供するために顧客関連データを保存する
- ID およびアクセス管理: サービスにアクセスするためのルールと権限を構成する機能を提供する
- デジタル資格情報発行: 個人のデータや ID 属性に関する証明書を発行し、データの再利用を可能にする

eIDAS 2.0 などの最新のグローバル規則と合わせて、顧客がサービスを利用したり、サービスからデータを受け取ったりできるようにするためにデジタル ウォレットを利用するには、これら 4 つのデータ カテゴリがすべて必要になります。

デジタル資格情報発行サービスにより、顧客は、ある組織のデータを再利用して別の組織と共有できるようになります
これにより、デジタル資格情報に依拠する組織は、直接の関係がなくても、データを発行した組織を信頼できるようになります。 したがって、資格情報を保持するデジタル ID ウォレットは、IDV 企業、IAM プロバイダー、CRM システムの運用を統合、強化する中心的な構成要素として機能します。
結論
デジタル ID ウォレットの採用が増加するにつれて、企業はこのテクノロジーを活用してサービスを改善し、全体的なユーザー エクスペリエンスを強化する新しい方法を見い出す可能性が高くなります。cheqd はここで、次の点で重要な役割を果たします。
- デジタル資格情報エコシステム用のツールとインフラストラクチャで
- eIDAS 2.0 などの 新たな規則に準拠したものであって、
- 同時に、資格情報の採用に切り替えることで各当事者にとって商業的にメリットがあるものを提供すること
さらに、資格情報発行テクノロジーの大規模導入は、もはや「導入するかどうか」の問題ではなく、「いつ導入するか」の問題になっています。 デジタル資格情報の使用を義務付ける規則の大幅な改正に伴い、現在の目標は、このテクノロジーのメリットと、早めに切り替えることが賢明である理由について伝えることです。
ブログ 2 では、cheqd が他の ID ネットワークや資格情報発行プラットフォームとどのように差別化されているかについて、独自の商用モデルと相互運用可能な技術設計の選択肢の両方を取り上げながら、さらに詳しく説明します。
それまでの間、こちらからデモのスケジュールの設定、または製品チームへのお問い合わせをいただくか、こちらから当社の cheqd Studio (資格情報サービス) にサイン アップして ID ツールの使用を始めてください。